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2000年5月3日、福岡に向かっていた一台の高速バスが17歳の少年にジャックされました。
そしてたまたま乗り合わせていた乗客の方たち5人が殺傷されるという事件が起こったんです。
その日山田由美子さんは、友人とコンサートに行くために、そのバスに乗っていました。
そこで突然少年が40 cmの刃物を振りかざして、襲いかかってきたんです。
楽しいはずの旅行は一変し、バスの中は血の海になりました。
開いていた窓のために友人は、逆上した少年から「逃げようとした!」と切りつけられて亡くなりました。
山口さん自身も頭や顔など骨が見えるほど十箇所以上切りつけられ、重傷を負いました。
バスは乗っ取られたままなんと15時間、270 km を走行し、翌日の朝ようやく、機動隊の突入によって少年は逮捕されたんです。
山口さんは全身に深い傷を負って、意識もとぎれとぎれの中救急搬送されました。
一命はとりとめましたが、その後十度にもわたる手術が続き、入院期間も長期に及びました。
そして耐え難い痛みの中で、山口さんは自分に無力さを感じるようになっていったといいます。
でも、そんな山口さんのつらさを少しでも和らげようと、看護スタッフの方たちは、献身的に看護しました。
ある時は一人の看護師さんが、「山口さんは、コンサートに行くぐらいだから音楽が好きなんでしょう。」とラジカセとテープをもってきてくれたそうです。
何もできない自分なのに献身的に関わってくれるその姿に、山口さんの価値観は変えられていきました。
それまでは頑張ってる自分はいいけれど、頑張れない自分はダメな自分、価値のない自分だと信じていたんです。
でもなんにもできない自分が大切にされる体験をしたことで、何もない自分、何もできない自分も生きていていいんだと考えられるようになったといいます。
当時山口さんは、娘の不登校のことで悩んでいました。
学校にも行かずに、ゲームばかりする娘をどうしても受け入れることができなかったんです。
その後山口さんの人生がどう変わっていったのか続きを話しています。再生ボタンポチッとして聞いてみてくださいね!
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著者 心理カウンセラー/講演家 かなう美保 12歳までの記憶を失う体験をした。生まれつき重い障害の娘を自宅で看護し、自らの手の中で天国に送った。中学生の息子の頭にこぶし大の腫瘍ができ、頭蓋骨が3㎝の半円状に溶ける経験をした。発達障害のため先生からいじめられ不登校からひきこもりになった息子に寄り添い、やがて息子は自ら勉強を始め大学に入学、社会復帰を果たした。
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